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美JAPON『はごろも』舞台裏☆

 

9/23(土)横浜能楽堂で行われた美JAPON主催『はごろも』無事、終演いたしました。

能の「はごろも」を題材に、新たな解釈を加えてストーリーを作り直し、そこにバレエ・フラメンコのダンス要素とファッションショーを融合させ、音楽もオペラ歌手が生で唄い、チェロやバイオリン、鼓、三味線、シンセサイザーなど和洋折衷で聞かせるという、それを関東で一番歴史を持つ横浜能楽堂という舞台で魅せる、全く新しいエンターテイメントショーでした☆

各ジャンルで有名な一流のプロたちも、全く新しい試みに本当に苦戦していました。

私たち、モデルももちろん!!

 

 

写真は美JAPONの代表であり、今回のショーの発案者、コスチュームデザイナーの小林栄子先生とモデルたちで作戦会議をしている所です。モデルは全員で7名だったのですが、

一日前のリハまで全員が揃わず、それもイマイチ全体像が把握できない要因でした。

私が小林栄子先生のショーに出させてもらうのは、昨年秋の京都・高台寺のショーが初で、そして今年2月の六本木ミッドタウン、そして今回で3回目なのですが、

先生のショーは普通のファッションショーとは違う部分が多々あるんです。

まず、誰が何を着るか?これが本当に直前まで変更、変更が続くんです。今回も本番までに合計3日間のリハがあったんですが、結局、誰が何を着るか、どういう順番で出るのかが決まったのが3日前とかだったかな(;''∀'')

まずモデルが10日前くらいに代わりましたしね!!メンバーチェンジになり、新しいモデルさんは前日まで来れないという💦

でもこの新しく加わった方が先生と10年以上も一緒にショーを作り上げて来られてたモデルさんだったので、全く問題はなかったんですけどね(^^)

 

でも衣装チェンジはこだわりの強いデザイナーなら、まぁ、直前でもあるっちゃーあるんです。普通のショーなら、まぁ衣装が変わっても順番変わっても、そこまで大変でもないんですけど、何が栄子先生のショーだと大変かというと、ただ歩いて帰ってくるだけじゃないって事なんですよね。

普通のショーは歩くコースが最初から決めてあって、パターンが3種類くらいある場合もあるんですけど、まぁ、とにかく覚えてちゃんとそれ通りに動けば問題ない。

でも、先生はリハを見ながら、どんどん変えていくし、ここは前のモデルとかぶせて!!とか、ちょっと残ってて、次のモデルを待ってとか、その都度、言う事がどんどん変わるので、

それを全部覚えておいて動くんですけど、でも、衣装が変われば、せっかく覚えた事全部がおじゃんだし、順番変われば、もちろんペアになるモデルも変わりますからね(>_<)

だから、去年の高台寺は、その変更につぐ変更に、私は結構翻弄されてクタクタになったんです(-_-;)

 

先生のショーにずっと出てるモデルさんたちは、先生の衣装を知り尽くしてるので、衣装チェンジになっても、「あ、これはだいたいこういう動きをしてこう見せればいい」って分かるから対応もできるんですけど、私は着るのも見るのも初めての衣装ばっかりだったので、いきなり着せられて、よく鏡も見れない状況でどう見せれば良いのか?がとてもムズカシイ(>_<)

おまけにリアルクローズじゃないのでね!!ふつうの洋服なら、私も経験豊富なので、はいはい、こういうスカートはこうね。

みたいなのがあるけど、先生のは服ではなく、コスチュームなので、本当に布を知り尽くして衣装を研究しないと、良さが活かせないんです。

先生の衣装は本当にモデルの動き次第で、活かすも殺すも…なんです。

 

そして、これはモデルキャリア20年の私も、本当に初の経験なんですが、先生のショーは音楽にモデルが合わせないといけない。

リズムに合わせて歩くとかじゃないですよ。それは当たり前の話なので…

最後のモデルがちゃんと音楽が終わる所で帰るように構成を考えないといけないって事。

つまり、ちょうど最後のモデルが帰る所で、音楽が終わるように音楽がどこで終わるかを最後のモデルは覚えておかないといけないんです。

じゃないと、自分が歩いている途中で音が終わるって、最悪の事態になるんです(泣)

そして、今回のショーの4シーンのうち、私がラストなのが2シーンもあったという、この悪夢(;''∀'')

 

もう、これが一番、きついの。だから私が歩くまでにコースが変更になったりモデルが変わると、全部のタイミングが変わってくるからマジできついわけ。

今回の舞台では、さすがに演出家の方がいらっしゃって、キューだししてくださってたんですけど、それもやっぱり栄子先生がどんどん変えるから、結構大混乱で(笑)

毎回キュー出される場所が変わるから、結局自分が覚えるしかないなと。でもねー、これがまた、インスト曲って同じようなフレーズのループだから、すんごく終わりが読みにくいんですよー。これ、何回目のリフレインなんだ?って覚えておくか、普通はカウントで覚えておけば良いんでしょうけど、でも直前まで着替えてたりもしますから、♪のカウントなんて取ってられないしね!!着替えは超急ぎ部分もあったから。

 

もー、これ、書き出したら止まらなくなるから、ここら辺でやめますね(笑)

そりゃ私、神経すり減るわな。ショー終わって3日たつけど、未だに交感神経が休まらず、副交感神経に切り替わらないから、なかなか夜寝られないもん(笑)

 

 

でも、こういう苦労って各ジャンルの皆さんがそうだったと思う。バレエダンサーさんもフラメンコダンサーさんも、白足袋で踊るなんて、もちろん初めてだったと思うし、

あんなにツルツルの床で踊るのはとても怖かったと思いますし。そして、お芝居要素がたくさんあり、なかなか尺も決まらないってなれば、ダンサーさんたちは家で準備のしようもなく、直前まで本当に不安そうにされていました。

もちろん、良いものにしたい気持ちは全員が強いし、だからこそ、やれる準備は絶対に全員がやっておきたいと思うのが普通だと思うんですけど、とにかくなかなか決まらないというのがツライ所ですよね。

臨機応変がここまで求められる舞台というのも、なかなか無いのではないでしょうか?

 

 

ここからは本番の楽屋での様子♡

ミックスジャムの高峰さんも、もうかなり長く美JAPONのショーに関わっていらっしゃます。

ヘアメイクだけでなく、フォトグラファーでもあるんです☆

 

 

バレリーナの安藤さん♡天女役が本当にピッタリな、とてもお綺麗な方でしたー(うっとり)

プロ中のプロだなぁというシーンをたくさん間近で見せていただきました!!

 

 

今回のヘアメイクはこんな感じ☆ヘアはそのままですけど(笑)アイメイクがかなりガッツリですよね。

 

 

真ん中のさくらちゃんが大活躍!!彼女は宮本亜門さんの舞台などに数多く出ている役者さんであり、ダンスも踊れるので、今回は彼女はモデルでありパフォーマー要素が強かった♪

そして、右側の私と同じボブのエミさんは、同じ関西から参加で、これで3回目ご一緒です。いつもいて下さるだけでとても心強いです♡

 

 

左のいのこちゃんは大分から今回参加していて、めっちゃ美人さん♡すごく真面目でめっちゃ袖で練習している姿に心打たれました。

真ん中の長嶋ちゃんは一番キャリアが浅いはず。今回、本当に大変だったと思うけど、とにかくスタイル抜群だし、衣装が映えるから、先生の衣装が本当に似合ってた!!

 

 

楽屋も畳ですからね。まぁ、あんまりゆっくりしてる時間はありませんでしたが💦

 

 

今回の舞台、能の舞台はもちろん初めての経験で、この橋掛かりという廊下部分がとても特徴的ですね。この廊下をどう見せるか?とても苦労しました。

今回の演出では、この橋掛かりは、あの世、そして、奥の本舞台は現世って事になっていて、橋掛かりまではすり足でゆっくり見せて、本舞台に入ってからは、割とモデルらしく動くという差を付ける演出になっていました。

 

 

ここが橋掛かり前のスタンバイの場所。ここでかなり練習しましたー!!

 

 

そして、ここから橋掛かりに出ていきます。客席はすぐそこ。能舞台というのは本当に客席から舞台が近いんですよねー!!これも意外でした。

あと、演者の表情がすぐわかっちゃう。少しの戸惑いも目線の動きもバレるので、ここはかなり注意を受けました。緊張感が伝わっちゃうんですよね💦

 

 

長くなったので、本番の写真は次の記事にします♡

 

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